オリジナル小説【題名まだ決まってない。】
「約束だからな、絶対に」
「きっと…絶対に残ろうな!」
「この、デスゲームから必ず…」
*
7月19日ハレ
暑い夏は始まったばっかりだ。明日で学校が終わり、夏休みに入る。高校生の私たちのテンションは上がりきっていた。
「咲ぃー今年の夏はどこ行こうか?海よくない?海っ!」
と、唯奈が口を開いた。
「あーっ!俺泳げねぇーわ。」
と、笑いながら健太が言う。
「ざこっ…」
と、言葉をはもらせ笑う芹花と葵、みんなを見て笑顔の涼太。私たちは毎日六人でいる、誰かが入ったり減ったりせず、ずっと六人だ。
「ねぇ!夏休みの予定決めようよ!」
「あーっ今日ぅちの家あいてるよ」
「じゃあ、咲きの家に行こ!」
私たちの笑い声に負けない蝉の不協和音が鳴り響く。
*
「海だよ!絶対に海!」
泳げない健太は唯奈の意見を飲み込まない。
「俺泳げねぇーからやだ!」
二人ともにらみあう。
「島とかどうかなぁ?」
みんなが咲きを見た、そしてみんないいねと口を揃えた。
「この島安いよ」
パソコンの画面を葵の細い指が指す
「一人200円…夏の特別企画…ってえぇ!?200円!?」
涼太が立ち上がる
「決定だよな?もう遅いから解散するぞ」
「だねっ」
外に出てみんなが帰るのを手を振って見送った。
「なぁ…秋原」
「んっ?」
涼太だった。少し下を向いている。
「旅行の後にさ…バンドのライブ行かない?」
「うんっ!いいねっ!みんなに伝えなきゃ…」
と言い咲きが携帯を出そうとしたら
「いやっ…二人で行かない?バンド好きなの俺らだけだし?」
涼太を見ると長くサラサラした前髪が揺れる、隙間から涼太の顔が見える。耳が真っ赤になってる。
「そうだね!二人で行こっか」
涼太は前髪をクシャッと掴みうんと頷き照れくさそうに咲きに笑いかけた。私は慌てて下を向き、もう一度涼太の顔を見て笑いかけた。
「じゃあな」
「うん」
「明日な」
「明日ね」
「じゃあね」
「うん」
涼太が背中を向け家に帰って行く。私の頬はほんのり温かくなっていた。
蝉の声が鳴り響く、夏のむしっとした風が少し火照った私の頬を撫でる。